ナイジェリアのヨルバ人の創世神話では、オバハラが粘土で作った人間がイグボ族となる伝承があった。ヨルバ人の別の伝承では、人間はオリサンラ神によって土で形づくられたが、人間に命を与えることができたのは至高神であるオロデュマレだけだった、とある。他の場所でも粘土と人間創造は見られる。

アフリカのベナンにあったダホメ王国では、創造神マウ・リサが水と泥から人間を創造したとされる。

アフリカのマダガスカルでは、神ラトヴァアンタニィという「自己創造した者」が、自分のつくった人間と動物の粘土の像を日なたで乾かしていたが、生命を与えることはできなかった。
マダガスカルの異説では、大地のザナハリィは男と女を含むさまざまな生き物を粘土から形成した。

エジプト神話のクヌムは、粘土をこねて人間を創造した神とされる。クヌムにも共通のシンボルの太陽、蛇の紀章ウラエウス、羊の顔と角、アンク十字、ウアス杖などが見られる。


アッカドの叙事詩「アトラ・ハシス」では、人間を造る時に粘土に殺害された神の血が粘土に混ぜられたとある。


ユダヤ教では最初の人アダムはエロヒムによってその息吹と土から創造されたとされ、キリスト教の新約聖書では「最初の人は土ででき、」とされ、イスラム教ではアッラーが土からアーダムを創ったとされる。

モンゴルの創成神話でも、天から地球を作ったウダンと呼ばれる神ラマは、初めての男性と女性を粘土から作った。

シベリアの最高神ブガは、鉄と火と水と土で2人の人間をつくった。土からは肉と骨を、鉄からは心臓を、水からは血を、火からは体温をこしらえた。


マヤ神話のポポル・ヴフでも創造主たちが泥土で人間を造ったとあり、ところがそれはすぐ崩れてしまった。

南アメリカ、コロンビアのチブチャ人の神話では、光が創造される前の暗闇の頃、そこにはイラカと彼の甥であるラミキリの二人しかいなかった。それにうんざりした二人の酋長(しゅうちょう)は黄色い粘土で小さな像をつくり、それが男たちになった。

南アメリカのウル族はチチカカ湖が初めて太陽によって温められたとき、その軟泥(なんでい)から生まれた。

南アメリカのパラグワイのレングワ族は世界の創造を、一匹の巨大な甲虫の業であったとする。この甲虫はまた、さまざまの精霊を創造し、自らが放り投げた土の粒から最初の男と女(両者は元々一つにくっついていた)をつくった。